就労継続支援B型を始めるならどんな物件を選ぶ?指定申請で確認したい建物要件を行政書士が解説
はじめに
就労継続支援B型の開業準備で最も重要なのが物件選びです。
「駅から近いから」
「家賃が安いから」
という理由だけで契約してしまうと、指定申請の段階で
- 必要な部屋が確保できない
- 消防設備の工事が必要
- 指定権者の基準を満たさない
などの理由で開業できなくなることもあります。
そこで今回は、実際に指定申請を数多くサポートしてきた経験から、物件選びで確認したいポイントを解説します。
訓練・作業室は利用者1人あたり3.0㎡以上必要
就労継続支援B型では、利用者が作業を行う「訓練・作業室」を設ける必要があります。
一般的には、
利用者1人あたり3.0㎡以上
が必要です。
※指定権者によっては3.3㎡以上としているところもあります。
例えば定員20名であれば、約60㎡以上(指定権者によっては66㎡以上)の訓練・作業室が必要になります。そのため、物件全体の面積だけではなく、実際に訓練・作業室として使える面積を確認することが大切です。
相談室はプライバシーへの配慮が必要
相談室も必須設備の一つです。
相談室は、利用者やご家族との面談を行う部屋になります。多くの指定権者では、多目的室との兼用が認められています。
一方で、指定権者によっては相談室と多目的室を別々に設けるよう求められる場合もあります。
また、相談内容が外に聞こえないよう、プライバシーへ十分配慮した構造であることも重要です。
広さに明確な基準はありませんが、4人程度でテーブルを囲んで面談できる広さがあると安心です。
事務室は指定権者によって取扱いが異なる
事務室についても指定権者によって考え方が異なります。事務室が必須という指定権者もあれば、訓練・作業室内に職員スペースを設けることで認められる指定権者もあります。
ただし、訓練・作業室の一角を事務スペースとして使用する場合は、その部分は訓練・作業室の面積には算入できません。
また、事務室の有無に関係なく、利用者情報などを保管する鍵付き書庫は必須となる指定権者がほとんどです。
トイレ・手洗い場
トイレについても指定権者によって取扱いが異なります。
多くの指定権者では、トイレが1か所あれば足りますが、ビル内の他テナントとの共用トイレを認めるかどうかは指定権者によって異なります。
契約前に確認しておくことをおすすめします。
また、手洗い場についても、少なくとも1か所は設置されている物件が望ましいでしょう。
静養室が必要な自治体もある
指定権者によっては、静養室の設置を求められる場合があります。
静養室とは、体調不良となった利用者が休めるスペースです。
必ずしも個室である必要はなく、簡易ベッドを設置し、パーテーションなどで仕切ることで認められるケースもあります。
この点も指定権者によって運用が異なります。
確認済証・検査済証は早めに確認
建物の
- 確認済証
- 検査済証
の有無も確認しておきたいポイントです。
古い建物では検査済証がないケースもあります。
指定権者によって代替資料で対応できる場合もありますので、契約前に確認しておくことをおすすめします。
消防設備は必ず確認
物件選びで最も注意したいのが消防設備です。
特に、自動火災報知設備(自火報)が設置されているかは重要なポイントです。
消防署から「自火報を設置してください」と指導を受けた場合、工事費用が数百万円規模になるケースもあります。
そのため、可能であれば、最初から必要な消防設備が整っている物件を選ぶことをおすすめします。
最も重要なのは指定権者への確認
ここまでご紹介した内容は、全国共通ではありません。
例えば、
- 相談室の考え方
- 事務室の取扱い
- トイレ
- 静養室
などは指定権者によって運用が異なります。
そのため、物件を契約する前に必ず指定権者へ確認することが重要です。
まとめ
就労継続支援B型の物件選びでは、家賃や立地だけではなく指定基準を満たせるかどうかが最も重要です。
特に確認したいポイントは、
- 訓練・作業室の広さ
- 相談室
- 事務室
- トイレ
- 手洗い場
- 静養室の要否
- 確認済証・検査済証
- 消防設備(特に自動火災報知設備)
です。
指定権者によって運用が異なる部分も多いため、契約前に指定権者へ確認することをおすすめします。

