協力医療機関とは?就労継続支援B型で必要な契約内容や契約方法を行政書士が解説

はじめに

就労継続支援B型の指定申請を進めていると、

「協力医療機関は必ず必要ですか?」
「どうやって病院へお願いすればいいですか?」

というご質問をよくいただきます。
協力医療機関との契約は、指定申請書類の一つですが、準備に時間がかかることも多く、開業準備の中でも早めに取り掛かりたい項目です。
今回は、協力医療機関の役割や契約内容、契約の進め方について解説します。

協力医療機関とは?

協力医療機関とは、利用者が急病になった場合や事故が発生した場合などに、必要な医療を受けられるよう協力していただく医療機関のことです。
就労継続支援B型は医療機関ではありません。
そのため、利用者の体調不良などに備えて、あらかじめ協力医療機関を確保しておくことが求められています。

また、協力医療機関は事業所の利用者を普段から診察する病院という意味ではありません。
一般的には、

・利用者が急病になった場合の診療
・ケガなどの応急的な対応
・必要に応じた医療機関への紹介

などについて協力する内容となります。
契約内容は指定権者や医療機関によって多少異なりますが、「緊急時に必要な医療を受けられる体制を確保する」ことが目的です。

協力医療機関との契約内容

協力医療機関との契約内容は、指定権者によって多少異なりますが、多くの指定権者では「協力医療機関との契約の内容」というような提出様式が用意されています。
まずは、その様式を確認し、それに沿った契約内容とするのが最もスムーズです。
一般的には、次のような内容を契約書へ盛り込みます。

1) 緊急時の協力内容
利用者に急病や事故などが発生した場合に、

・必要に応じて事業所へ診察に来てもらう
・医療機関で診察や入院の受け入れを行う
・電話による助言や指示を行う

などについて定めます。
なお、「入院の受け入れ」まで契約内容に含めることを求めない指定権者もあります。
必要な協力内容は指定権者によって異なるため、事前に福祉担当課へ確認しておくと安心です。

2)契約期間
契約期間は、契約締結日から1年間とし、期間満了の1か月前までに双方から特段の申し出がなければ、自動的にさらに1年間更新するという内容が一般的です。

3) 協議事項
契約内容について疑義が生じた場合や、契約書に定めのない事項については、双方で協議のうえ決定するという条項を設けることが一般的です。

協力医療機関との契約を締結するまでの流れ

1)協力医療機関を探す
協力医療機関は、事前協議が終わり、事業所の場所がある程度決まった段階から探し始めることをおすすめします。
まだ物件が決まっていない段階では、「どこで開設するかわからない事業所」となってしまうため、医療機関としても協力の判断がしにくくなります。

また、協力医療機関との契約は法人と医療機関との契約になります。そのため、この段階までには法人を設立しておく必要があります。
※法人設立については別記事「⑨株式会社・合同会社・一般社団法人・社会福祉法人どれを選ぶ?就労継続支援B型の法人設立を行政書士が解説」をご覧ください。

協力医療機関を探す方法としては、次のようなものがあります。

  • 近隣の障害福祉施設や介護施設が契約している医療機関を調べる
     すでに障害福祉サービス事業所や介護施設との契約実績がある医療機関であれば、協力医療機関として引き受けてもらえる可能性が高くなります。
  • 規模の大きな病院よりも、地域のクリニック(内科・心療内科・外科など)を中心に探す
     総合病院などの大規模な医療機関では、院内の稟議や法人本部での承認が必要となることも多く、契約までに時間がかかる傾向があります。
    一方、地域のクリニックであれば、院長先生と直接お話しできる可能性が高く、話をすすめやすい印象です。
  • 医療機関のホームページを確認する
     障害福祉サービスや介護福祉分野への理解や連携実績がある医療機関であれば、協力していただける可能性があります。
  • 地域の医師会へ相談し、協力医療機関を紹介してもらう
  • 指定権者の福祉担当課へ相談してみる

このような方法を組み合わせながら、候補となる医療機関を探していきます。
候補となる医療機関は、できるだけ多く探しておくのがよいでしょう。実際にお願いしても断られることもありますので、最初から複数の候補を考えておくと、その後もスムーズです。

2)医療機関へ連絡する
候補となる医療機関が見つかったら、実際に連絡をします。
メールやお問い合わせフォーム(DM)では返信がないことも多いため、電話で連絡することをおすすめします。
電話をするタイミングは、午前または午後の診療が終わる少し前の時間帯がよいのではないかと思います。

電話では、

・○○市○○町で就労継続支援B型事業所を開設予定であること
・指定申請にあたり協力医療機関との契約が必要であること
・詳しい内容について先生と直接お話しする時間をいただきたいこと

を簡潔に伝え、後日の面談日時を調整します。

3)医療機関との面談
面談当日は、

・事業計画書
・事業所の所在地が分かる地図
・パンフレットなど(あれば)

を持参すると説明しやすくなります。

この日は、「どのような内容で協力していただけるか」を話し合う場としておいた方がいいかと思います。
契約書への署名・押印は、あまり日をあけず後日とする方が良いでしょう。

また、一般的には協力医療機関になっていただくことに対して顧問料などを支払うケースは多くありません。ただし、医療機関から費用負担について相談があった場合には、その内容を踏まえて指定権者へ相談してみることをおすすめします。

協力内容について双方で合意できたら、契約書へ署名・押印をいただく日程を調整します。

4)契約書へ署名・押印
契約日までに契約書を作成し、医療機関へ持参します。

契約は、就労継続支援B型事業所を運営する法人と、病院または医療法人との契約になります。
そのため、この時点では法人設立が完了している必要があります。契約書には双方で署名・押印を行います。

なお、その場で契約内容の追加や修正を求められることもあります。
そのため、法人代表者印も忘れずに持参しておくと安心です。

契約書の作成方法が分からない場合には、行政書士へ相談することも一つの方法です。

まとめ

協力医療機関との契約は、就労継続支援B型の指定申請において欠かせない準備の一つです。この契約が整わなければ指定申請書類を提出できず、その結果、開業時期が大きく遅れてしまうことも少なくありません。そのため、

・事前協議が終わり、物件が決まったら早めに探し始める
・できるだけ多くの候補となる医療機関へ相談してみる

ことが、スムーズな指定申請につながります。

  • X

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です