就労継続支援B型の「常勤」とは?週32時間勤務や管理者の兼務について行政書士が解説。

はじめに

就労継続支援B型の指定申請では、人員配置について細かく確認していく必要があります。
その中でも、

「常勤は週40時間勤務でなければいけませんか?」
「週32時間勤務でも常勤として扱えますか?」
「管理者が生活支援員や職業指導員を兼務する場合、勤務時間はどう考えればいいですか?」

といったご質問をいただくことがあります。
特に、管理者が他の職種を兼務する場合の勤務時間については、単純にそれぞれの職種へ勤務時間を按分するとは限りません。
この記事では、就労継続支援B型における「常勤」の考え方と、管理者が他の職種を兼務する場合の勤務時間の取扱いについて解説します。


「常勤=週40時間」とは限りません

障害福祉サービスにおける「常勤」は、必ずしも「週40時間勤務」を意味するものではありません。
基本となるのは、

その事業所において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数

です。
例えば、その事業所において常勤職員の勤務時間を週40時間と定めているのであれば、原則として週40時間勤務する職員が常勤となります。
一方、事業所における常勤職員の勤務時間数を週32時間としている場合には、週32時間勤務の職員を常勤として取り扱うことができる場合があります。
そのため、

「週40時間働いていないから非常勤」

と単純に判断するものではありません。


週32時間勤務でも常勤になる?

一定の条件を満たしていれば、週32時間勤務でも常勤として取り扱うことが可能です。
例えば、事業所における常勤職員の勤務時間を週32時間と定めている場合、その勤務時間を満たしている職員については常勤として取り扱うことができます。
ただし、

「この職員だけ週32時間勤務だから、この人を常勤として扱いたい」

という考え方ではありません。
就業規則や雇用契約なども含め、その事業所における常勤職員の勤務時間がどのように定められているかを確認する必要があります。


就労継続支援B型では常勤職員の配置が必要です

就労継続支援B型では、

・職業指導員
・生活支援員

を配置する必要があります。
また、職業指導員または生活支援員のうち、少なくとも1名は常勤で配置する必要があります。
そのため、指定申請の人員配置を考える際には、

「誰を常勤として配置するのか」

を早い段階で決めておくことが重要です。


管理者は生活支援員や職業指導員を兼務できる?

就労継続支援B型では、管理者が他の職種を兼務することがあります。
例えば、

・管理者兼生活支援員
・管理者兼職業指導員
・管理者兼サービス管理責任者

などです。
もちろん、どのような場合でも自由に兼務できるわけではなく、管理業務に支障がないことなどの条件を確認する必要があります。
そして、ここで指定申請の際によく問題となるのが、

「兼務した場合の勤務時間をどのように計算するのか」

という点です。


兼務したら勤務時間を半分ずつにする?

例えば、1日8時間勤務する職員が、

管理者兼生活支援員

として勤務するとします。
この場合、
「管理者4時間+生活支援員4時間」
のように、必ず勤務時間を分けなければならないのでしょうか。
自治体によっては、管理者業務に支障がないことなどを前提として、勤務時間を単純に按分せず、

管理者として勤務しながら、生活支援員としても勤務している

という取扱いが認められる場合があります。
例えば、1日8時間勤務の場合、
管理者4時間+生活支援員4時間とするのではなく、

管理者8時間・生活支援員8時間

として取り扱うことが認められる場合があります。
これは人員配置を考えるうえで非常に重要なポイントです。


ただし、自治体によって取扱いが異なる場合があります

ここで注意したいのは、兼務した場合の勤務時間の取扱いについては、自治体によって考え方が異なる場合があることです。
そのため、

「管理者兼生活支援員だから、両方とも8時間で計算して大丈夫」

と自己判断して勤務形態一覧表を作成するのはおすすめできません。
私がこれまで確認した例では、千葉県や川崎市では、管理者と生活支援員または職業指導員を兼務する場合、実際の業務時間をそれぞれに按分するのではなく、管理者と兼務する職種について1対1で勤務時間を計上する取扱いが認められています。
例えば、1日8時間勤務する管理者兼生活支援員であれば、それぞれの業務に応じて「管理者4時間・生活支援員4時間」と分けるのではなく、「管理者8時間・生活支援員8時間」として取り扱うことが認められています。
一方、大阪市ではこのような1対1での勤務時間の計上は認められず、管理者として勤務する時間と生活支援員または職業指導員として勤務する時間を、それぞれ実際に従事する時間に応じて按分する取扱いとなります。
さらに、大阪市についてはもう一つ注意が必要です。
就労継続支援B型では、一般的に職業指導員または生活支援員のうち1名以上を常勤で配置することが求められますが、大阪市では、職業指導員または生活支援員のうち1名以上について「常勤かつ専従」での配置を求めています。

このように、指定権者が変われば、同じ人員構成でも基準を満たすかどうかが変わる可能性があります。
指定申請前に指定権者へ、

・管理者と生活支援員を兼務できるか
・管理者と職業指導員を兼務できるか
・兼務した場合の勤務時間をどのように記載するか
・常勤換算上どのように取り扱うか

などを必ず確認しておくことが重要です。


人員配置は勤務形態一覧表を作って確認する

就労継続支援B型の指定申請では、職員の配置状況を勤務形態一覧表などへ記載して提出します。
実際に人員配置を考える際には、「職員が何人いるか」だけを見るのではなく、

・常勤・非常勤
・専従・兼務
・1週間の勤務時間
・どの職種を兼務するか
・常勤換算で何人になるか

まで確認する必要があります。職員を採用した後になって、
「この配置では人員基準を満たしていなかった」
ということにならないよう、採用前の段階から勤務時間や兼務について確認しておくことをおすすめします。


まとめ

就労継続支援B型における「常勤」は、必ずしも週40時間勤務を意味するものではありません。
事業所における常勤職員の勤務時間の定めによっては、週32時間勤務でも常勤として取り扱うことが可能です。
また、管理者が生活支援員や職業指導員を兼務する場合、必ずしも勤務時間を半分ずつに按分するとは限らず、自治体によっては、それぞれの職種について勤務時間を算入できる場合があります。
ただし、兼務や勤務時間の取扱いについては自治体によって異なる場合があります。
就労継続支援B型の人員配置を検討する際には、

・常勤職員の勤務時間
・常勤・非常勤の区分
・管理者の兼務
・兼務した場合の勤務時間
・常勤換算

を確認したうえで、必要に応じて指定権者へ事前に確認しながら進めることが大切です。

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